三行書きの短歌は、石川啄木が有名ですね。
昨日の新聞に、啄木の親友で、新聞記者であり、歌人でもあった土岐善麿という人が紹介されていました。
じつは三行書きの短歌を始めたのは、啄木ではなく、土岐善麿だったそうです。知りませんでした。
その人の歌です。
哀しきは、
職業のある、その事を幸福とする、
いまの、心かな。
サラリーマンとして働きながら歌作を続けた歌人らしく、勤め人の哀感がよく出ていますね。
私は、毎朝、職場に行くのが嫌で、今日こそ休もう、今日こそ休もうと思いながら、出勤しています。
そのとき言い聞かせるのが、「今のご時勢、仕事があるだけありがたい」という言葉です。
それはそうなのですが、そう思うことは哀しいですね。
生活の糧を得るのが仕事です。
仕事をするのは生きるための手段であって目的ではありません。
そのことに感謝する、というのは何か変ですね。
勉強したり、面接を受けたりして、自分の力で得た仕事です。
仕事があることが有難いのではなくて、給料をもらえることがありがたいのです。