中国夢

社会・政治

 最近中国の習近平国家主席が、中国夢という言葉を多用しているようです。
 要するにチャイニーズ・ドリームということでしょうか。

 汚染された空気の清浄化だとか、中国経済の失速に対する対策だとかを指すようです。

 一方、ネット上で中国夢民間版というのがあるそうです。
 これがまた荒唐無稽というか子どもっぽいというか。
 しかしそれだけに中国人民の素朴な夢でもあるように感じられます。

 すなわち、

 ①サッカーワールドカップで優勝したい。
   がんばってねとしか言いようがありません。
   でもこれは不可能ではありませんね。
   すぐには無理でしょうが、長期戦略でチームの力を底上げすれば良いわけです。

 ②国連本部をニューヨークから北京に移したい。
   これは無理でしょう。
   その前に大気汚染をなんとかしなさい。

 ③ハワイの補給基地で中国軍艦に燃料を補給したい。
   お気は確かですか。
   ハワイは米国領で、しかも米国と中国は互いを仮想敵国と見なしています。

 ④東シナ海、南シナ海、インド洋、太平洋の中国寄りの半分を中国の内海にしたい。
   大分パワーアップしてきましたね。
   これを実現させようとすれば、米国とまともに衝突することになります。
   中国は米国と一戦交える気でしょうか。
   そうなれば中国崩壊が始まります。

 ⑤日本国中で大震災が起きて、日本人全員に死んでもらいたい。
   これは悪ふざけが過ぎるというもの。
   ナチス・ドイツのユダヤ人抹殺計画に匹敵する言語道断な妄想というべきでしょう。

 つらつら見てくると、要するに中華帝国を中心とした新たな世界秩序を構築したい、という欲望が感じられます。
 かつて中国の歴代王朝はアジアに君臨し、世界に覇を唱えようという勢いでした。
 昔の夢よもう一度、というわけでしょうが、現代、世界情勢は混乱し、一国が世界を支配することなど不可能です。

 ここ65年あまり、世界の警察を自任してお節介にもあちこちの紛争地域に介入してきた米国ですら、ナーバスになり、自国のことで精いっぱいになりつつあります。

 国内に様々な民族問題を抱え、貧富の格差に苦しみ、周辺諸国と領土問題で争う、醜い国家としか言いようが無い中国が、誇大妄想的な夢想に浸るのは、彼らの勝手といえばそれまでですが、あまりに滑稽というもの。

 私たちにとっては永遠の隣国でもある中国には、愚かな妄想に沈むことなく、世界情勢を冷静に分析して、少なくとも隣国の民が災害で全員死ねばいいなどという馬鹿げたことは、口が裂けても言わないことです。
 内心そう願うのは勝手ですが。

 一方韓国大統領は米国議会で演説し、日本の歴史認識を糾弾し、米国を味方につけようとやっきになっていますが、米国はそれは二国間問題だとつれない返事。
 また、米国が北朝鮮に対するのに日米韓が一致することが重要だと発言するのを横で聞きながら、韓米中が一致することが大切だと、露骨な日本無視の発言をして失笑を買っていました。

 その他、わが国の隣国と言えばロシアと北朝鮮。

 いずれも一筋縄ではいかない面倒な国家ばかりです。

 かつて中国は、何事も鷹揚にかまえ、大人(たいじん)の国と言われ、世界の尊敬を集めました。

 今こそ中国人民は、くだらぬ妄想など捨てて、鷹揚に構えて欲しいものです。 
 

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