二日灸

文学

 今日は2月2日。

 古来、この日に灸をすえると無病息災の幸運を得られると信じられ、二日灸と呼ばれてきました。
 最近では廃れてしまったようですが、明治頃まではさかんに行われていたようです。

 正岡子規が、二日灸を季語とした句を多く詠んでいます。

  花に行く 足に二日の 灸(やいと)かな

 二日灸は春の季語。
 花見に行く足に二日灸の痕が残っているという、華やいだ趣の句です。

  婆〃様の 顔をしぞ思ふ 二日灸

 婆様、もう亡くなっているんでしょうねぇ。
 灸をすえられて、昔婆様に灸をしてもらったことをおもいだしているのでしょうか。
 柔らかい感傷が優しい印象を与えます。

 無病なる 人のいたがる 二日灸

 健康な人ほど灸を痛がるというのが面白いですねぇ。
 大体健康な人は医者にかかったことも少なく、必要以上に医療行為を怖れるのかもしれませんね。
 子どもが注射を怖れるようなもの。

 私は灸というのは経験がありません。
 ひどい寝違えをしたとき、針や按摩に行きましたが、たいして効かず、最後に整形外科に行ってもらった痛み止めが一番効きましたねぇ。

 古来の知恵も結構ですが、今は安全で良い薬がたくさんあるので、西洋医学に頼るのが一番手っ取り早いようです。

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