世の中には、生身の女性を愛することができず、もっぱら人形や下着に興味を持つ人がいます。
私はかつて四谷シモンの人形に魅せられて、写真集を購入したことがあります。
私が人形に対して抱くイメージは、純粋に芸術作品に対するものとは違っているように思います。
もっと隠微な、暗い欲望が潜んだ、それでいて無機質で清潔な、不思議な感動を与えられる、そんなイメージです。
最近ではいわゆる芸術の分野に区分される人形作家の作品だけでなく、リアルラブドールと言われるダッチワイフにも、精緻で職人芸的な芸術性があるように思います。
四谷シモンの作品2点です。
この不気味な妖しさをたたえた造形美は、何と呼んだらよいのでしょうか。
井桁裕子の作品2点です。
このリアルさと大胆なデフォルメ。
赤ん坊の体に大人の顔、勃起した陰茎。
私はただ、圧倒されるばかりです。
ホリヒロシの作品2点です。
美女にも鬼女にも見えるその美しさは戦慄を覚えます。
ちなみに一体60万円くらいするそうです。
人形作家には、愛くるしくてユーモアあふれる作品を作る人もたくさんいますが、どういうわけか私は妖しいほうへ妖しいほうへと興味が向いてしまいます。
これもまた前世からの悪因縁というべきでしょう。
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