休職と自殺

精神障害

 平成10年、統計を取り始めてから初めて全国の年間自殺者数が3万人を超え、以来14年間、3万人を下回ることがないそうです。
 とくに長引く不況からか、40代、50代の働き盛りの男性の自殺が増加しているそうです。

 また、うつ病による休職者は現在、推計で50万人を超えるとか。
 この大量の休職者が、自殺者の高止まりに結びついているであろうことは、容易に想像できます。

 また、自殺未遂者は自殺者の10倍いる、と言われますから、じつに30万人もの人が自殺を試みて失敗していることになります。

 交通事故死者数が年間4,000人から5,000人ということを考えると、自殺者及び自殺未遂者の数の多さに愕然とさせられます。

 自殺率の国際比較を見ると、最新の統計で、10万人あたりの死者数が、以下のようになっています。

①リトアニア   34.1人
②韓国      31.0人
③ロシア     30.1人
④ベラルーシ  27.4人
⑤ガイアナ    26.4人
⑥カザフスタン 25.6人
⑦ハンガリー  24.6人
⑧日本       24.4人  
⑨ラトビア    22.9人
⑩スロベニア  21.9人

  以上がワースト10です。
  一見して、ロシアなど旧ソヴィエト連邦諸国及び東欧諸国が多いことが目を引きます。
  そして、物質的豊かさでは先進国なみのはずの韓国の2位。
  自由主義先進国では、わが国一国だけが、ワースト10に入ってしまいました。
  総じて、経済的な問題を抱える国の自殺率が高いことが挙げられます。

  精神疾患による長期の病気休暇から生還した者としては、身がつまされる思いがします。
 あるいはあの時、3万分の1人になっていたのかもしれないのですねぇ。
  でも幸い、今では怖ろしくて自殺なんて考えることもできません。
 それだけ病状が軽くなったということなんでしょう。

 私が生還した最大の理由は、精神科医と相性が良かったこと、家族や職場に理解があったこと、自助グループや厚生労働省が所管する障害者職業センターなどの社会資源に助けを求めたことが挙げられましょう。 

 長く休む間に、気力体力は驚くほど低下します。
 一人では億劫なウォーキングも家族と歩いたり障害者職業センターのプログラムに入っていれば、いやいやでも歩くようになります。
  障害者職業センターのリワーク・プログラムはけっこう負荷がかかるので、これに取組み、成し遂げることは大きな自信につながります。 
  そして何より、同じような境遇の、うつ病を始めとする精神疾患で休暇中の仲間と知り合うことができます。
 これは貴重な財産です。 

  うつ病などで長期休暇中のみなさん、使えるものは何でも使って、社会資源に救いを求めましょう。
  思わぬ収穫が得られるでしょう。

  そして今まさに自殺を敢行せんとしている方、今夜一晩だけ延期してみたらいかがでしょう。
  夜眠れないのなら、自殺する理由を箇条書きにしてみましょう。
  死ななければならないほどの深刻な理由など無いことに気付くかもしれません。
  そして朝になったら、精神科を受診するか、それが抵抗があるなら命の電話に電話しましょう。
  問題の根本解決にはならないかもしれませんが、気の持ちようで世の中は変わって見えることに気付かされるものと思います。
 そう思ったのなら、できることから少しずつ、問題解決に向けて歩み出せばよいのです。

 間違っても、大阪の通り魔のように、自殺する勇気がないから人を殺して死刑にしてもらおうなんてハタ迷惑なことを考えてはいけませんよ。   

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