何もしないおじさん

仕事

  就職8年目の後輩が12月末をもって退職することになりました。
 私たちの業界では、就職して概ね10年間はヒラとして働き、その後主任になり、係長、課長補佐、課長、部長、局長と出世しいていきます。

 もちろん、局長になれる人はごくわずかで、多くは課長補佐か課長で退職していきます。
 後輩、初めての役である主任昇任を目前に退職することとなりました。

 この人、なかなかの女傑で、わずか150センチで痩せた体形ながら、力仕事も物ともせず、また、職階が上位の人にもスケズケと物申す人でした。

 その評価は大きく分かれていました。

  図々しいとも言えるその態度を頼もしいと感じる管理職もいれば、小うるさくて面倒くさい奴だと毛嫌いしている者もいました。

 私はどちらかというと得意でした。

 なぜか私は若い頃から曲者の先輩に可愛がられる傾向にあり、自然と、私自身も曲者っぽい若手を愛でるようになりました。

 類を以て集まる、というやつでしょうか。

 少し、辞めていく後輩が羨ましくもあります。
 やっと30歳くらいで、転職活動も難しくはなかったのではないかと推測します。

 今の私には到底無理な話です。
 何もできないおっさんに、今貰っているような給料を出す職場など世界中を探してもどこにも存在しないでしょう。

 何もできないおっさんはもうすぐ何もしないおっさんになるでしょう。
 そういう人をたくさん見てきました。
 困ったやつだと小馬鹿にしてきましたが、今は気持ちが分かります。

 疲れるし、新しいことはなかなか頭に入らないし、手を動かすのが億劫だし、これは何もやらないおじさんになるわけだと、実感せざるを得ません。

 人に起きることは大抵自分にも起こるのだと思います。
 最近そのスピードが速くて、若年性認知症なのではないかと心配になります。

 年金支給開始年齢 の65歳はまだまだ遠いですが、だましだまし、疲労しないように、働くようにしないといけません。