昨夜NHKで、国の借金が862兆円にも膨れ上がった経緯を追った番組が放送されていました。
旧大蔵省の幹部OBが多数取材に応じており、いけないいけない、と思いながら赤字国債を発行し続けた事情が生々しく伝わってきました。
財政法で赤字国債の発行は禁じられていますが、特例として時限立法でこれを認め、特例のはずが常態化してしまったようです。
1965年に戦後初めて赤字国債を発行してから、バブルの数年間を除いて毎年発行され、今では国家予算は税収よりも赤字国債のほうが高い比率という、完全に破綻した状態になっています。
1965年の文書には、赤字国債は麻薬であり、一年限りで止めなければいけない、と書かれていましたが、まさしく麻薬であったから、止められずにずるずると今日にいたっているのでしょう。
故田中角栄元総理の大号令のもと、列島改造と高福祉が始まり、特に高福祉は一度始めたら止めることができず、しかも毎年支出が増えるという金食い虫になってしまい、国の財政を圧迫しました。
特効薬であったはずの消費税を導入したものの、3%や5%では効果を発揮せず、細川元総理は旧大蔵省に言いくるめられて、深夜に会見を開き、消費税を廃止し、7%の国民福祉税を導入する、と表明しましたが、わずか一日で撤回。政権を投げ出してしまいましたね。
過去のことを言っても切ないばかりですが、よくぞここまで借金を増やしたものです。
借金も慣れると感覚がマヒするんでしょうかね。
ヤクザまがいの借金取立てもありませんし。
歳出の無駄を省くといっても、862兆円もの借金がすべて無駄であったはずもなく、国民の要請であったり、国際社会への貢献であったり、借金には理由があります。
日本は成熟した自由民主主義国家に成り、もはや高度成長期やバブルの頃のような税収の自然増は望めず、しかし成熟してしまったがゆえに国際社会での責任も果たさなければなりません。
医者が足りない、介護職が足りない、教員はモンスターペアレンツと手に負えない子どもに手を焼き、次々とメンタルをやられ、辞職していく始末。
高等教育機関ではゆとり教育のせいで基礎学力が不足した学生のため、補習を行わざるを得ず、その上研究成果を上げなければ金は付けないと脅されて、プレハブ小屋で細々と実験する毎日。
体感的治安は悪化し、警官が足りない。
専守防衛を実効あるものにするためには、軍事力も足りない。
どこでもかしこでも金が足りないの大合唱。
金を返すには二つの方法しかありません。
税収を増やすか、歳出を減らすか、あるいは両方同時にやるかです。
金の話はなんとなく品がないというか、ここまで書いて嫌になってきました。
せめて私にできることは、金がないと言わないことと、鉛筆一本でもけちること。
小さなことからコツコツと。
これがなかなか難しいのですよね。
↓の評価ボタンを押してランキングをチェック!
借金漬け
