傷心

その他

  今日は都内某会議室で午後から外部資金獲得のための勉強会。
 朝はゆっくりできます。

 今は本降りの雨ですが、午後にはやむとの予報。
 とりあえず良かった。

 それはさておき。

 実は昨夜、ショッキングな事実を知りました。

 私が20代前半から半ばにかけて親しくしていた女性が自殺した、と言うのです。

 彼女は私よりも3つ年下で、職場に出入りする業者の一人でした。
 短大を出て就職したばかりで、先輩営業マンの後ろをいつもついて歩いていました。
 美人とは言いがたいですが、小柄で愛嬌のある女性でした。

 彼女が私の職場の若手の飲み会に顔を出したのがきっかけで、親しくなりました。
 今では個人的にとはいえ、業者と飲みに行くなどご法度ですが、当時はまだ大らかだったのですね。

 恋人、と呼べるかどうかは微妙な関係性ですが、一時期、そんな感じになりました。
 ただ、彼女は恋だと思っていたようです。
 ていうか、彼女は恋しか知りたくなかったのではないかと思います。
 その他のことは生きるためのどうでも良いこと、みたいな。

 私は、そんな純粋な彼女の前では、子供のように振る舞うことができ、彼女は逆に大人ぶっていたように思います。

 そんな関係性が2年も続いたでしょうか、別の女性となんとなくお付き合いするようになりました。

 私の場合、女性との間で、告白とかなんとか、はっきりした区切りをつけたことがなく、なんとなく友人からより深い仲になり、気が付いたら付き合っていた、というのがいつものパターンでしたので、彼女に悪いとも思いませんでしたし、それまでどおり会っていました。

 潔癖な人から見れば、二股ということになるのかもしれませんが、私にはそういう意識はありませんでした。
 仲の良い女性が何人いたって構わない、と。
 要するに友人ですね。

 しかしながら、彼女がそれに気付いた時、初めて、彼女は私との関係性を本気の恋だと思っていたことを、私は知ったのです。

 とんだ野暮天です。

 私は混乱しながらも、どちらかを選ばなければならないのなら、新しい女性を選択する他ないことを告げました。
 彼女は涙を流しながら、私の新しい恋を、笑顔で祝福しようと努力している風でした。

 それでも彼女は仕事として私の職場に出入りし、時には飲みに行ったりする不思議な関係性を築きました。

 私が例の新しい女性と結婚して数年後に彼女も結婚し、報告会と称する2人だけの小宴で、嬉しそうに結婚式や披露宴の写真を見せてくれたことを懐かしく思い出します。

 その後彼女は妊娠して退職。
 それからは10数年、年賀状のやり取りだけが続いていました。

 で、昨夜、彼女の旦那様から簡単なメールをもらいました。
 年賀状のやり取りをしている人に一斉メールを送ったようです。

 自殺した、動機は分からない、近頃落ち込んでいた、みたいな。

 その後の彼女の人生がいかなるものであったのか、今の生活がどうだったのか、私は何も知りません。
 20年以上前、互いの人生がほんの一瞬、交差した時期があっただけです。

 昔のことを思い出しながら、本当に私は野暮で女心が分からない、自分勝手な人間だった(あるいは今も)、と反省するしかありません。

 若かりし頃の思い出に浸りたい気分です。 

 40代で命を絶った、かつての愛しい女性を追悼するために。