映画

 昨夜はいやぁな感じのする邦画を観ました。

 「光」です。

光 [DVD]
井浦新,瑛太,長谷川京子,橋本マナミ,南果歩
Happinet



 東京の離島で暮らす少年少女。
 田舎であるがゆえの閉塞感が息苦しい感じです。

 ある少年は15歳の頃、島の美少女と付き合っていますが、森の中で中年男に犯されているのを発見し、激怒して中年男を石で殴り殺してしまいます。
 少年を慕う年下の小学生は、父親からひどい虐待を受けています。

 やがて大地震が発生。
 島は津波の被害にあい、ほとんどの者が亡くなってしまいますが、3人の少年少女と虐待する父親は生き残り、東京に出てきてそれぞれに暮らし始めます。

 それから25年。
 少年は結婚して良き父、良き夫を演じています。
 美少女は女優となって華やかな暮らしをしています。

 少年を慕っていた小学生は工場労働者となり、これと言った楽しみもなく暮らし、ある時あの虐待をしていた父親が転がり込みます。

 工場労働者は、少年の犯行を知っており、それを基に少年と美少女を脅しに現れます。

 25年ぶりの再会は、ひどく辛いものでした。

 少年の殺人、父親による小学生虐待、そして究極の自然の暴力である津波。
 この作品は、暴力を描きながら、どこか静かです。
 暴力というものは、もともと静かな物なのかもしれませんね。

 そして彼は、自分の生活や家族を守るため、再び殺人を犯すことになるのです。

 後味の悪い映画でした。

 井浦新演じる良き夫の静けさ。
 瑛太演じる工場労働者の狂気じみた怪演。
 
 それらが頭から離れません。