入店拒否

社会・政治

 「五体不満足」で有名な乙武氏が、某飲食店を予約していたところ、行ってみたら車いすに対応できないとかで入店を拒否されたことが、ネット上で問題になっているようです。

五体不満足
乙武 洋匡
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五体不満足 完全版 (講談社文庫)
乙武 洋匡
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 乙武氏がツイッターなどで店名を明らかにして抗議したことがその発端だとか。
 店側もツイッターで謝罪して和解となったようですが、店側は予約の時点で車いすだと教えてくれれば対応できた、と反論し、乙武氏もその点は非を認めているようです。

 ややこしいのは、当事者同士が和解した後、店を誹謗中傷するような書きこみや、逆に身体障害者である乙武氏が明確にその情報を伝えなかったことに非があり、有名人であることに甘えているのではないか、など、乙武氏に非があるとする書き込みが寄せられ、ついには国会でも問題になったとか。

 元々はちょっとした行き違いだったと思われますが、ネット上ではよくあることですが、問題が大きくなってしまったようです。

 近年改善されてきたとはいえ、わが国のバリアフリーはまだ道半ば。
 ちょっとした段差でも、車いすにとっては大きな障害になります。
 これは早急に改善されるべきですが、何事もそうですが、多額なお金を必要とするため、つい後手に回ってしまうというのはよくあることです。

 乙武氏が堂々とその姿をメディアにさらし、様々な発言を行っていることには尊敬の念を覚えます。

 なかなかできることではありません。

 身体障害にしても、精神障害にしても、知的障害にしても、あるいは民族差別や宗教差別にしても、差別される側が行動に出なければ、物事は解決しません。
 健常者やあるいは差別的意識を持った人々が、自ら反省して差別的態度を改めることはほとんど期待できず、社会常識の変化などにより、自覚を促したり、あるいは罰則を設けたりするほかないのが実情です。

 悲しいことですが。

 私は差別的意識は希薄だと思っていますが、それでも知らず知らずのうちに差別的言動を取っている可能性は否定できません。

 今回の一件が、身体障害者だけでなく、あらゆる差別的待遇に甘んじてきた人々の待遇改善につながることを期待します。

 
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