入梅

文学

 昨日は入梅だったそうで。
 道理でこのところ大気の状態が不安定です。
 うっとうしい季節ではありますが、梅雨の雨がわが国の稲作を支えてきたのは事実で、近年米食が減ってきたとはいえ、今も変わらずわが国民が最も多く食する穀物であることに変わりはありません。

 梅雨の時期、梅雨寒という言葉があるくらい、思いがけず肌寒い日がありますね。
 今日もけっこうひんやりしていて、上着が手放せません。
 まして体重が三カ月余で10キロも落ちてしまった身であれば、寒さは耐えがたいものがあります。

 先日半袖姿でスーパーに行ったら、冷凍食品売り場で遭難しそうになりました。
 スーパーの冷凍食品売り場は冬山のようです。

 その肌寒い感じが、どこか物寂しくも感じられ、正岡子規は、
 
 入梅の中 人静かなり 法花堂

 という句を物しています。

 法花堂は奈良東大寺にあるお堂。
 観光客でにぎわっている東大寺であっても、梅雨寒の時期には静かな感じがするというわけでしょうか。

 梅雨といえどもわが国の豊かな四季を構成する重要な要素。
 あはれをかしも感じられませんが、この時季ならではの風情を楽しみたいと思うのです。

子規句集 (岩波文庫)
高浜 虚子
岩波書店

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