奇妙な事件ですねぇ。
福島刑務所の女性用支所で刑務官をしていた21歳の女性が、千葉県に住む元交際相手の女性宅に無理やり入ろうとして、元交際相手の兄ともみ合いになり、暴行容疑で現行犯逮捕された事件。
立場は百八十度変って、刑務官から受刑者になっちゃうかもしれないんですねぇ。
女性刑務官は男装して男性を装い、女性と交際していた、とのことですが、単なる女性同性愛者だったのか、それとも性同一性障害だったのか、どっちなんでしょうねぇ。
報道ではまだそこまで踏み込んでいません。
何カ月か交際していたとのことですから、交際相手の女性も、女性刑務官を、男性として魅力的だと多少なりとも思っていたのでしょう。
それが実は女だったと知った時のショックはいかばかりであったでしょう。
女性同性愛者同士の恋愛は誰に迷惑をかけるわけでもなく、大いに結構です。
また、性同一性障害と知ったうえでの、意識としての異性愛、実体としての同性愛も、互いに承知なら問題はありません。
今回の事件で問題なのは、女性刑務官が性を偽ったこと。
いつまでも騙しとおせるものではありますまい。
交際して何カ月も経って肉体関係を求めない男なんて、まずいないでしょうから、その点で交際相手は不審に思うでしょう。
もちろん、肉体関係を求めても、一発で女性だったとばれてしまうわけですから、そんなリスクは犯せないでしょう。
進むも地獄、退くも地獄とは正にこのことですねぇ。
わが国の性意識が同性愛に極めて寛容であったことは、このブログで何度も指摘してきたところです。
それが大らかなわが民族の豊かな性愛の文化を生んだことは間違いありません。
しかし、「色道大鏡」にも、女性同性愛の記述はほとんど見られません。
もっぱら異性愛か、男性同性愛を扱っています。
もしかしたら、女性同性愛への関心の無さが、今回のような事件を生んだ一因になっているのかもしれませんねぇ。
男性同性愛者に比較して、女性同性愛者の立ち位置がはっきりしないのはよろしくないでしょう。
女性同性愛者が堂々とカミングアウトしても、「それがどうしたの?」と気にもとめない空気が醸成されなければ、同性愛者は生きづらさを感じたまま生きていかなければなりません。
米国でもオバマ大統領が同性婚に賛成の意を表しましたね。
社会のリーダーがそういう発言をすることで、少数派は救われるでしょう。
もっとも、日陰の花だからこそ燃える、という粋な関係性もあるでしょうけど。
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