刺青

美術

 先ほどまでバラエティー番組で、刺青を入れた若い女性数名と、刺青を入れることに反対する芸能人数名の座談会をやっていました。

 刺青を入れようが入れまいが成人ならば勝手でしょうに。

 それをなんでまたテレビ番組に呼んで入らぬお節介をするのでしょうね。

 刺青を入れていると、一般社会で生きづらくなることは間違いないでしょう。
 橋下大阪市長も市職員の刺青を禁じるような発言をしていましたし、健康ランドもたいていは刺青お断りですし、接客業のほとんどは刺青を入れているだけで採用されないでしょう。
 おそらくまともな親なら倅が刺青を入れた女と結婚すると言ったら反対するでしょう。

 しかしだからこそ、刺青には独特の価値があります。
 すなわち、一般社会の常識とは背を向けて、生涯闇社会で生きていくのだという覚悟を示すには、簡単には除去できない巨大な刺青を全身に入れることが効果的です。
 だからヤクザは刺青を入れるのでしょう。

 それをファッションだとか個人の自由だとか言って刺青を入れ、しかし偏見や差別に反対だというのは、自己矛盾でしょうね。
 世間から嫌われるようなものだから入れているのでは?
 それだけが唯一の価値なのでは?

 それとも刺青を入れたら一般社会では差別や偏見に会うのだという程度の世間知すらないのでしょうか。
 お気の毒。

 私の女友達にも、数名ですが、蝶やマリア様の刺青をお尻や背中などの目立たぬ場所に入れている者がいます。
 腕とか首と違って、裸になって初めて知るもので、男としては素朴な感動がありましたね。
 通常人に見せない部位を見せてくれたわけですから。

 しかしおそらく多くの刺青を入れる女は、自己顕示欲が強く、私の女友達のような効果的な部位に刺青を入れようとはしないのでしょうね。
 よりわかりやすい部位に、派手に。

 私は他人でしかない若い女が派手な刺青を入れたからと言ってご注意申し上げるほどお人よしではありません。
 成人すれば犯罪行為以外何をしようと知ったことではありません。
 ただ、私はそんな痛い思いをして皮膚に絵を描きたいと思ったことがないだけです。

 私だったら刺青シールを毎日とっかえひっかえし、様ざまな絵柄を楽しみますがねぇ。
 飽きたら素肌に戻れますし。