新年早々某新聞に勇ましい対談が掲載されていました。
女性評論家と拓殖大学総長の対談です。
平たく言えば、憲法改正して軍事力・外交力を高めよ、ということですが、暗雲たちこめる現代日本にそれを求めるのは困難なことでしょう。
さはさりながら、聖徳太子の時代から、元寇、朝鮮征伐、日清日露、第二次大戦と、日本は勇ましかったのだから、時代の空気が変われば憲法改正や核武装なんて、あっという間になしとげちゃうんでしょうねぇ。
そういえば前世紀の終わりころでしたでしょうか、アメリカの学者、ハンチントンが「文明の衝突」なる論文を発表し、話題になりましたね。
世界の文明を大きく8つに分けて印象的でした。
すなわち、
中華文明
ヒンドゥー文明
イスラム文明
日本文明
東方正教会文明
西欧文明
ラテンアメリカ文明
アフリカ文明
です。
この中でわが国だけが一国で一つの文明として挙げられ、違和感を覚えます。
中華には入らないんですかねぇ。
西欧文明に対抗もしくは敵対する文明として中華文明とイスラム文明を挙げており、日本文明は孤立しているので、状況しだいで敵対もし、協力もする、とか。
わが国は戦後一貫して西欧文明に協力的でしたが、中華文明が勢力を伸ばすと、地政学上の要請から、中華文明とくっつくかもしれません。
ハンチントンもその可能性を指摘しています。
大官房長官の発言を聞いていると、今にも中華文明に飲み込まれそうに感じます。
正月気分に水をさす新聞記事ではありました。
人間も国家も一寸先は闇。
あらゆるオプションを考えておかないといけません。
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