潘基文国連事務総長が、「シリアで大規模な化学兵器が使用されたことが明白になった。シリアが化学兵器の全廃を行わない場合、国連安保理は次なる行動に出るべきだ」と、勇ましい演説をしたようですね。
私が気になるのは、「シリアで」という部分。
「シリア政府が」でも「シリア反政府軍が」でもなく、「シリアで」。
主語が明確ではありません。
どっちが使ったかは明らかにせず(できないんでしょうが)、言外にシリア政府軍が使用したような物の言い方をし、それをもって武力攻撃も辞さぬとは、穏やかではないですねぇ。
イラク戦争の教訓が生きていないようです。
イラクが大量破壊兵器を持っている、と難癖をつけて攻撃し、後になって大量破壊兵器は無かった、でもイラクを攻めたのは間違いではなかったと、無理目で分裂気味の言い訳を米英はしていましたね。
シリアもそうならないとは限りません。
今は証拠を固めるべき時で、前のめりに攻撃を口にすべきではありません。
米軍の介入が、よけいな混乱を生む可能性は極めて大きいものと思います。
世界一の軍事大国らしく、ここは確たる証拠を掴むまで、動くべきでは無いでしょう。