去勢刑

社会・政治

 韓国で現在、性犯罪者が懲役期間を終えて出所する際、睾丸を外科手術で除去してしまおうという法案が審議中です。
 韓国は人口比で世界一強姦が多い性犯罪大国。
 睾丸の除去で男性ホルモンを減らし、性衝動を失くしてしまおうというのが法案の趣旨のようです。

 過激ですねぇ。

 識者の間では、重大な人権侵害であるとか、生殖能力を失わしめるのは問題だとか、様々な反対論があるなか、国民の間には、性犯罪被害者の苦痛を思えばなんでもない、といった賛成意見も多いようです。

 米国で性犯罪者にGPSを体に取り付けることを義務付けたとか、性犯罪歴がある者がどこに住んでいるかインターネット上で公開しているとか、それもずいぶん過激だと思いましたが、韓国で審議中の去勢法案はそれに倍して過激ですねぇ。

 子どもの頃アラブ諸国では犯罪者の手を切断したりする刑があると聞いて震え上がったことがあります。
 しかしアラブ人に言わせれば、何十年も監獄に閉じ込めるほうが残酷だそうで、所変れば常識も変るのだなぁと、変に感心したことを覚えています。

 SF映画の名作「時計じかけのオレンジ」では、暴力的な若者に手術を施して暴力性を失わせる近未来の社会が描かれていました。

 それを思い起こさせる去勢刑。

 だいたい睾丸を除去すると性欲というのは減退するものなのですかねぇ。
 睾丸を除去したオネェマンの性欲が減退したという話は聞いたことがありませんが。

 それならいっそ、陰茎を切断してしまったらどうですかねぇ。
 そうしたら少なくとも強姦はできなくなりましょう。

 この法案がどうなるのか分かりませんが、性犯罪者だからといって強制的に睾丸を除去するというのは、明らかに基本的人権を侵害するものだと思います。
 もう少し穏当に、矯正プログラムを行うとか、性衝動を感じたら強い精神安定剤を服用するように勧めるとか、適切な方法があると思いますがねぇ。

 もし去勢刑法案が通ってしまったら、韓国は世界の人権団体のみならず、各国政府から非難を浴びるものと思われます。

 隣国の民として、また同じ儒教や仏教を精神的バックボーンに持つ北東アジアの仲間として、韓国がそんな目にあうのはやり切れません。

 韓国の国会議員諸氏におかれましては、冷静な判断をお願いします。

時計じかけのオレンジ [DVD]
スタンリー・キューブリック,アンソニー・バージェス
ワーナー・ホーム・ビデオ



時計じかけのオレンジ 完全版 (ハヤカワepi文庫 ハ 1-1)
乾 信一郎
早川書房


にほんブログ村


政治 ブログランキングへ