台風の夜をさまよう

その他

    台風の被害は予想以上にひどいものでした。

 特にタンカーが関空の連絡橋にぶつかり、関空への連絡が絶たれたというのは衝撃的でしたね。
 それに、トラックのみならず、多くの乗用車がひっくり返っているのも驚きました。

 幸いと言って良いのかわかりませんが、私が住む千葉市はたいしたことはありませんでした。
 京葉線が止まるのは毎度のことで、驚きもしません。
 海の上を走っているのだから当然でしょう。

  颱風に 電車とまりて それよりは 知らぬ人らと 夜をさまよふ

  
現代歌人、花山多佳子の短歌です。
 「木立ダリア」という歌集に所収されています。

 

歌集 木立ダリア (塔21世紀叢書)
花山 多佳子
本阿弥書店

   夜をさまよふ、というのが良い味を出しています。
 台風の苛烈さを優雅に詠って、不思議な味わいを残します。

 私が子供の頃は、サッシではなく、窓ガラスに雨戸でしたから、台風が来るとガタガタと窓が揺れて、それは怖ろしいものでした。
 サッシが普及してからは、静かなものです。

 今日は台風一過の青空で、九月とは思えない暑さです。

 自然の猛威の前には、人間なんてちっぽけなものですね。

 いずれ来るであろう大地震に、改めて恐怖を感じました。