名誉の殺人

社会・政治

 ホラー映画も真っ青の、驚愕のニュースが飛び込んできました。
 カナダ在住のアフガニスタン出身の家族の間で起きた事件です。

 父親と第二夫人と長男が、第一夫人と三人の娘(実母は第二夫人)を殺害したというのです。
 理由は、娘たちが男の子とハグした、部屋からコンドームが出てきた、というものです。

 アフガニスタンでは、婚前交渉や婚外交渉を行った女性を、名誉のために家族が殺害しても構わない、という伝統があるというのです。

 しかも、ひどいことには、娘ばかり産んで男の子を産まなかった場合、そんなことが理由で殺されたりすることもあるというのです。

 なんという男尊女卑。

 しかもそれは、タリバンが力を持つはるか以前から行われており、カナダでそれをやったから大ニュースになりましたが、アフガニスタンでは大したニュースにもならないとか。


 首をひねるのは、婚前交渉や婚外交渉を行った男を殺害するという発想がないこと。
 むしろ江戸時代の日本では、不義密通や心中未遂などでは、男の罪のほうが重かったりしました。

 土地柄、歴史、伝統、様々の要素が絡み合って民族の価値観や行動様式が生まれます。
 その多様性は尊重されなければいけません。
 米国のように、世界中に米国流の価値観を押し付けようとするのは間違っています。

 しかし、結婚などの形式にこだわらずに、たかが肉の棒を肉の穴に挿入する程度のことで、人を、しかも愛する家族を殺害して良いとは、どんな価値観を以てしても許されないと、私の本能が感じます。

 それが証拠に、アフガニスタンの法律は名誉の殺人といえどもそれを認めず、厳罰に処すことを定めています。

 しかし、あるアフガニスタンの弁護士がつぶやいた一言はやるせないものです。

「私たちは立派な法律を持っている。だが、アフガンでは法や規則よりも伝統、習わしが優先されるのだ」

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