昨夜家に帰ってひとっ風呂浴び、焼酎を飲みながらテレビをつけると、某民放で浅草お茶の間寄席なる番組が放送されていました。
ゴールデンタイムに落語とは珍しいと思って見るともなく見ていると、ぐいぐい引き込まれました。
噺家は古今亭志ん輔。
演目は「品川心中」です。
品川の花魁、お染は、住み替えの金が出来ないために下の女から馬鹿にされるので、死ぬことを決断します。
1人で死ぬのは嫌なので誰か道連れをつくることを考えます。
なじみの客から道連れを選び、少々ぼんやりしている金蔵と一緒に死ぬことに決めます。
早速金蔵を呼び出したお染は無理やり金蔵に心中を承知させる。
翌日の晩、いざ心中という時にカミソリで首を斬るのを金蔵が嫌がるので、外の桟橋から身投げをすることにします。
桟橋でなかなか飛び込もうとしない金蔵をお染が突き落とし、自分も飛び込もうとしたところに、店の若い衆が「金が出来た」という知らせを伝えに来ます。
お染は死ぬのが馬鹿馬鹿しくなって店へ戻ってしまう。
遠浅だったため死にそびれた金蔵は親方のところへ行くが、親方の家では博打をしており、戸を叩く音で「役人だ」と早合点して全員大騒ぎ。尋ねてきたのが金蔵と分かり安心するが、1人びくともしない者がいました。
その者を褒めると「いやとっくに腰が抜けております」。
文字に書いてしまうと面白くもおかしくもありませんが、手だれの噺家が話すと本当に馬鹿馬鹿しくて面白いのです。
終わり方が半端なので、調べてみたら、まだ続きがありました。
親方に相談して金蔵はお染に仕返しをするのです。
お染を訪ね、金蔵と会っている最中、親方がお染を呼び出して、金蔵の通夜に来てほしい、というのです。
そんな馬鹿な、と部屋にとって返すと、金蔵はおらず、金蔵の位牌が座布団の上に置いてあります。
それを見た親方は、お染に、金蔵に執り付かれているから尼にならないと助からない、と脅します。
やむを得ずお染は髪を剃ります。
そこへ金蔵が現れて、「お前があんまり客を釣るから、魚籠(びく)にされたんだ」と下げます。
魚籠(びく)にされた、は、尼を表す比丘尼に掛けているというわけです。
近頃では時間の関係か、最後まで品川心中を話す噺家は少ないそうです。
今、落語といったら、だいたい30分くらいでしょうか。
江戸時代には人情噺などの場合、2時間も3時間もしゃべったと言いますから、現代人は短気になっているんでしょうか。
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