啓蟄

文学

 今日は啓蟄なのですね。
 啓蟄とは二十四節季の一つで、暖かくなって土中から虫が出てくることの意。
 春の訪れを予感させる日です。
 寒い冬を終えて、春が来る、そういうわくわくした気持ちになります。

 啓蟄や この世のものの みな眩し

 啓蟄の 虫におどろく 縁の上

 啓蟄を詠んだ秀句です。

 誰の作だか忘れましたが、なんとなく、印象に残っています。

 みな眩しいのも分かるし、虫が出て気持ち悪いのも分かります。
  
 啓蟄を詠んだ句は明るい感じのものが多いのですが、このブログにたびたび書いたとおり、私は猛烈に忙しいこの時期になると、憂悶に沈みます。
 年度末が好きなサラリーマンや役人などこの世に存在するとは私には思えません。
 だからこそ、これらの俳句が愛おしくも、羨ましくも感じます。

 純粋に啓蟄を寿ぐことができるのは、まだ当分先のような気がします。