団塊

社会・政治

 団塊の世代がいよいよ65歳の完全リタイアを迎える時期に入りました。

 この世代は良くも悪くも戦後日本社会を牽引してきました。
 学生時代には汚らしく髪を伸ばして学生運動などにうつつをぬかし、東大安田講堂に立てこもって戦争ごっこを楽しむ暴挙に及び、ついには連合赤軍が凄惨な事件を引き起こして左翼運動に自ら終止符を打ちました。

 就職するやにわかに髪を切って企業戦士にお宗旨替えし、高度経済成長からバブルの狂乱へとひた走りましたね。
 バブルの頃、彼らは40代。
 最も激しく踊った世代です。

 そして老境にいたるや自然食品だの安心だのにとびついて、一生涯のうちに何度変節すれば気が済むのかと、呆れるばかりです。

 そして、驚愕の事実。
 日本全体の消費のうち、じつに44%が65歳以上の高齢者の財布からまかなわれているということ。

 彼らは無駄に数が多いだけに、消費行動は巨大なようです。

 数年前まで私の職場にも団塊の世代がそれこそ佃煮にするほどあふれていました。
 彼らはわずか数歳年上の戦前戦中生まれとは明らかに雰囲気が違っていましたねぇ。
 よく言えば優しい、悪く言えば頼りがいが無い。
 彼らより数歳上の人々は、面倒見が良い親分肌の人が多く、おっかなくもありました。

 あらゆる企業は高齢者向けの商売に走るでしょう。
 金と時間を持て余した巨大な塊なのだから当然です。

 民放を初めとするテレビ局はあいも変わらず子ども向けの躁病的なおふざけを繰り返していますが、潤沢な資金があれば今日にでも高齢者向けの番組作りに舵を切ること請け合いです。
 何しろ今の子どもはインターネットやネット・ゲームに時間をさき、テレビの視聴時間は低下する一方。

 そして10年もすれば、介護が必要になった団塊の世代があふれかえり、日本社会を混乱に陥れるでしょう。

 わが国をリードもしくはミス・リードしてきた世代が引退を迎えた今、戦後の繁栄は陰を潜め、ぼんやりした不安感がこの国を覆っています。
 それは先進国共通の感覚であり、不安に駆られた老い行く国々はどこへ行ってしまうのでしょうね。
 それは誰にも分かりませんが、生活レベルの低下を甘んじて受けなければ、国全体、ひいては世界全体が沈没していくことだけは確かでしょう。

 やれやれ。

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