昨夜は哲学的で難解なSF映画を鑑賞しました。
「地球、最後の男」です。
キューブリック監督の名作「2001年宇宙の旅」を彷彿とさせますが、それほどの深みはありません。
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宇宙ステーションで1人ミッションをこなすリー。
ある日突然、地上との交信が途絶えます。
窓から地球を見る限り、あちこちで派手な光が爆発しており、核戦争でも起きたのかと思わせますが、定かではありません。
同じリーという名の将校が南北戦争で戦うシーンが時折挿入されますが、それも宇宙飛行士リーとの関係性ははっきりしません。
前半は地上との交信が途絶え、必死に復旧しようとするパニック映画の様相。
後半は、地上との交信が途絶えて6年以上の時を経て、リーが幻覚とも、あるいは宇宙のより大きな存在との遭遇ともつかない、映像詩のような趣きに変わります。
ただし、ラストは、そりゃ、ないでしょう、という陳腐なオチ。
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手塚治虫に「ザ・クレーター」という奇妙な漫画を集めた短編集があり、その中に「クレーターの男」という短編があります。
何十年も月に取り残され、その後やってきた宇宙飛行士に発見されますが、地球で核戦争が起き、新しくやってきた宇宙飛行士も亡くなり、月の中にある不思議な瘴気が出る場所でコールド・スリープのような状態になって半永久的に生き続ける人類最後の男の孤独と絶望を描いたものですが、こちらのほうがよく出来ていたと思います。
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「地球、最後の男」、好悪が分かれる作品だと思いますが、私にはちょっと物足りないようです。