昨夜はNHKで「坂の上の雲」第3部を放送していました。
ちょうど日露戦争の頃。
旅順要塞の攻略に苦労していましたね。
旅順要塞といえば、明治36年の今日、日本軍の勝利によって陥落したと記憶しています。
いずれにしてもわが国の近代化を象徴する戦争ではありました。
しかし私は「坂の上の雲」を読んでいません。
司馬史観というものに、胡散臭さを感じるからです。
明治時代を合理精神に溢れた明るい時代とし、昭和以降敗戦までを暗黒時代と捉える、あの考えです。
常識的に考えて、日本人がわすか数十年の間に突然合理的近代人から暗黒のファシスト集団になるとはおかしな理屈です。
平たく言えば、明治期に戦った戦争はわが国の勝利ばかりで、昭和に入ってからのそれは大敗北に終わった、その結果だけを見て明治を美化する愚かな考えだと思います。
勝負は時の運。
勝てる戦争に負けることもあれば、勝てるはずのない戦争に勝っちゃうこともあります。
勝敗結果のみをみて、その時戦った人々をあんまり持ちあげたり貶したりすべきではありません。
昭和陛下が昭和50年の訪米時、米国の記者に戦前と戦後で日本人はどう変化したかを問われ、「何も変わっていません」とお答えになりました。
司馬遼太郎よりも先帝のほうが国民の本質を見抜いていたものと思われます。
日本人は多分ぼんやりと国が成り立ち始めた頃から現代まで、本質的には変わっていないと思います。
好奇心旺盛で鼻っ柱が強く、清潔を重んじ、進んだ技術や思想をしつこく取り入れようとし、取り入れたなら日本人好みの趣味的な機能や装飾を施す。
一度こうと決めたなら世界一になろうとする。
戦前戦中は軍事力で、戦後は経済力で。
和をもって貴しとなし、和を乱す者は排除する。
そんなところでしょうか。
それにしても昨日のドラマ、金かかっていましたねぇ。
キャストも豪華だし戦闘シーンもド迫力でした。
NHKにしか作れないドラマです。
今は亡き司馬先生もあの世で喜んでいることでしょう。
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