夏至

文学

 今日は夏至ですね。
 一年中で一番日が長い日。
 明日からはもう、少しずつ夜が長くなっていくと思うと、夏とははかないものだと感じます。
 そうは言っても、本当に暑いのはこれから。
 今日首都圏は最高気温が30度を超えるとか。
 節電の今夏、まだ冷房は入りません。
 昨年の猛暑を思うと、これからが思いやられます。

 夏の楽しみといえば、ビアガーデンでしょうか。
 終業後でも薄明るいなかで飲む酒は、背徳の香りがしてまた格別です。
 しかしビールは腹が張るのであまり好まない私は、蒸し暑いビルの屋上で不潔でまずいつまみを肴にビールを飲むよりは、冷房の効いた室内で焼酎のロックや冷酒をやるほうを好みます。

 
かんがへて 飲みはじめたる一合の 二合の酒の 夏のゆふぐれ 

 私が敬愛する歌人、若山牧水の歌です。
 夏の夕暮れ、まだ明るいうちから飲んでもいいものか、と考えながら飲み始める、という酒好きの若山牧水らしい歌です。

 彼は朝と昼に2合づつ、夜に6合で毎日一升の酒をくらい、友人がくればもっと飲んだといいますから、尋常ではありません。
 43歳で亡くなった原因は、酒毒であったに違いありません。
 今、彼の亡くなった年齢に近づいて、私の酒量は彼の足もとにも及ばないにせよ、酒毒には気をつけなければならないと自戒しています。

 酒飲みというものは、暑いといっては酒を飲み、寒いといっては酒を飲み、花だ雪だ月だといっては酒を飲む強欲な輩です。
 そういう私も、こう暑いと冷たい酒が飲みたいと思う愚か者です。

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伊藤 一彦
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