大寒

文学

 今日は大寒ですね。
 その名のとおり、ここ数日、南関東でも底冷えの日が続いています。
 幸い雪は降らず、連日晴天ですが、晴天ゆえの放射冷却と空気の乾燥に悩まされています。
 
 冬を詠んだ句はたくさんありますが、わりと知られている句を数句。

 大寒の  薔薇に異端の  香気あり  飯田龍太

 
本来初夏に咲くはずの薔薇が、おそらく温室栽培なのでしょう、大寒に咲いている。季節はずれにさく薔薇の美しさに異端をみたということでしょう。
 大寒・薔薇・異端・香気と、二文字の漢語表現が俳句らしからぬ幻想美を生んでいるように思います。

 大寒や 北斗七星 まさかさま
 
村上鬼城

 
何の用事があったのか、大寒の夜に外出したのでしょう。
 寒空を見上げたら、北斗七星がさかさまに見える、不思議なことだ、ということでしょうか。
 最後の、まさかさまがユーモラスですね。

 冬日今  瞼にありて  重たけれ  
高浜虚子

 
寒さの中にも冬の日があたって、しかも瞼にあたって眠くなる、そんな幸せな冬の日向ぼっこでしょうか。

 私は毎日17時15分の定時で帰宅しています。
 ここ数日、その時間に職場を出ると、西の空がうっすら明るく見えます。
 冬至から一カ月、確実に陽が伸びてきていることを実感します。
 大寒とは今が一番寒いということ。
 つまりこれからは着実に暖かくなるということですね。
 なんとなくうれしい。


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