横綱、白鵬が29歳にして大鵬の優勝回数32回に並びましたね。
これは驚くべきことです。
私が直接観戦した大横綱としては、時代順に、北の湖の24回、千代の富士の31回、朝青龍の25回などが記憶にあります。
どの横綱も、無敵に感じられたものです。
それでも、32回も優勝する力士はもう出ないだろうと思っていました。
昨日の鶴竜戦にしても、横綱同士の取組とは思えないほど、白鵬関の速攻相撲が冴え渡っていました。
これだけ優勝を重ねた大横綱ですが、さすがに過去最多に並ぶ今回は格別の感慨があったようで、「この国の魂と相撲の神様が認めてくれた」と、涙ぐんでいましたね。
見ているほうは白けました。
朝青龍や北の湖のように、どこまでもふてぶてしくいて欲しいと思いました。
涙は部屋に帰って親方や家族の前だけで見せればよろしいでしょう。
文学や美術など、モノが残る場合はともかく、スポーツや芝居など、パフォーマンスを見せるものは、例え映像が残っていたとしても、その素晴らしさは直接見なければ堪能できません。
そのためには、すぐれた役者やアスリートと同時代を生きなければなりません。
そういう意味で、私は白鵬という大横綱と同時代を生きていることが、嬉しく感じられます。
何度か国技館で直接観戦しましたが、その存在感は圧倒的でした。
早くその存在を脅かす力士が育って欲しいものです。
夏目漱石でしたか、柳家小さん(先々代です)と同時代に生きられて幸せだ、と言っていたことを思い出します。
落語もライブ感が重要ですからねぇ。
いずれにしりろ、大記録に並んだ横綱に敬意を表するとともに、さらなる高みを目指して欲しいと願わずにいられません。