米国の人気映画俳優、ブラッド・ピットが、自らが失顔症であると告白して話題になっています。
時あたかも婚約者である人気女優、アンジェリーナ・ジョリーががん予防のために乳房を切除したタイミング。
ブラッド・ピットはこの症状のために多くの知り合いや映画関係者に失礼をはたらいたと告白しています。
失顔症とは、相貌失認とも呼ばれ、平たく言えば人の顔が覚えられない病気。
これ、社会生活を送るうえでは、結構致命的なんじゃないかと思います。
サラリーマンでも俳優でも、よく知っている相手にいちいち「あなたはどなたでしょうか」と問うていたら、不興を買うことは必定。
それならいっそ、自分はそういう病気ですと、カミングアウトしてしまったほうが、楽に生きられるでしょう。
脳の一部が働いていないとか、医者は様々な仮説を立てているようですが、実際のところよく分かっていないようです。
これ、古代ローマ時代から記録されている古い病気のようです。
世にはあまたの病気があり、それぞれに苦しいものですが、有意な治療法が確立されていない病気ほど苦しいものはありますまい。
それに比して、私が抱える双極性障害は、躁を抑える薬もうつを抑える薬もあり、患者数も多いことから、まだ治癒する可能性があります。
現に私は、服薬治療を続けているおかげか、ここ4年ばかり、精神症状を自覚していません。
全くの健康体だと思っています。
今日、帰りに内科医のところに行き、2週間前の血液検査の結果を示されました。
数値が高いと赤で、低いと青で表示されるのですが、わずか3年前はメタボリック症候群で真っ赤っかだったのが、今はほとんど黒(正常値)で、わずかに青がある状態になりました。
痩せるということは、体に劇的な変化をもたらすものだと痛感します。
青は、運動不足を示す数値。
他に青がでたのは血糖値ですかねぇ。
わずか四年前には糖尿病一歩手前までいき、そろそろ糖尿病の薬を飲まなければいけないかというところまで数値が出ていたのですが、今では糖分が足りないというところまできてしまいました。
肝臓の数値も酒の飲み過ぎか、赤だったのですが、今は黒になりました。
酒は減らしていないのですが、不思議です。
きっと過剰な体脂肪が肝臓にも悪影響を及ぼしていたものと想像します。
正直、中年太りは如何ともなしがたく、半ば諦めていたのですが、一年ちょっとで24キロ落ちるという驚異的な体重減少で、少なくとも検査の結果は健康そのものということになりました。
しかし私は、そのことを素直に喜ぶ気にはなれません。
何しろ体重激減の直接の理由は父親の死による食欲減退。
精神的には立ち直っているつもりでも、胃袋だけは、父の死の悲しみから抜け出せないでいるようです。
私はただ、今食えるものを積極的に食う以外に方法は無いと思っています。
無理に食えば消化しきれずに戻してしまいますから。
それにしても、失顔症と言い、食欲減退と言い、人間というものよほど厄介にできているようです。
内科医は血液検査の結果を見て褒めてくれますが、真の健康は、じつは血液検査など関係ないような気がします。
そう遠からず命を落とす身であれば、健康バカみたいになったりせず、日ごろの人生を楽しみたいと思わずにはいられません。