宇宙人

思想・学問

 英国の理論物理学者のホーキング博士が車いすで窮屈そうに、しかし雄弁に宇宙を語る姿は、誰でも一度は見たことがあるのではないでしょうか。
 博士が面白いことを言っています。
 宇宙人と接触してはいけない、と。
 コロンブスがアメリカ大陸に上陸したことで、先住民の多くが未知のウィルスなどに感染し、死亡したことを引き合いにだし、未知の地球外生命体が人類及び地球上のあらゆる生き物にどういう害を与えるか不明だから、だそうです。
 
 ここで面白いと思ったのは、ホーキング博士は地球外知的生命体の存在を自明のこととして話し、その存在の有無を論ずること自体がナンセンスだ、という態度を見せたことです。
 しかし考えてみれば、地球にこれだけの数の生物が存在していることから類推して、知的生命体が他のどの星にも存在しないと考えるほうが無理があります。
 大体私たち地球人自身が、異星人から見れば宇宙人なわけですし。
 NHKの番組である地質学者が、地球と同じ銀河系に知的生命体が存在する星は4~140個程度、と解説していて、驚きました。
 ずいぶんはっきりした数字です。

 人類も地球そのものも、やがては死に絶えるわけですから、人類に与えられたわずかな時間の内に地球外知的生命体と出会う確率はほとんどないと思いますが、出会ってみたい、とも思います。

 映画「コンタクト」では人類を宇宙では幼い子どもなみととらえて、大人の宇宙人が子どもの成長度合いに合わせて接触する様が描かれています。
 「マーズ・アタック」では、火星人を暴力的で、有無を言わせず地球人を殺戮してまわる怖ろしい侵略者として描いています。
 「地球が静止する日」では、宇宙連邦のような所から、人間は地球を破壊する害獣であるとして、地球を救うべく人類を絶滅させるためにやってきたエージェントをキアヌ・リーブスが演じてクールでした。
 「第9地区」では地球に助けを求めてやってきたエビ型の宇宙人たちを狭い収容所に閉じ込めて虐待する人類の非道ぶりを描いていました。
 「フィフス・エレメント」では、キリスト教の神は高度な文明を持った宇宙人であり、野蛮な地球人に真理を教えるためにキリストや使徒を教育したことになっています。

 SF作品ではいやというほど人類と宇宙人との遭遇や争いが描かれていますが、大体上記のような作品にパターン化できるのではないでしょうか。
 「コンタクト」が理想的ですが、「マーズ・アタック」の可能性もあり、「地球が静止する日」では人間がネズミやゴキブリ、シロアリ等を虐殺してきたことを思えば、やむを得ない気がします。もちろん、生き残りを賭けて抵抗することは当然ですが。

 結局どういうことになるか分からないから接触しないのが一番、とホーキング博士は言いたいのでしょう。
 君子危うきに近寄らず、といいますからね。

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