1986年の今日、米国でスペース・シャトルのチャレンジャー号が打ち上げ間もなく爆発しました。
高校生だった私は、強い衝撃を覚えたことを鮮明に記憶しています。
その後、大江健三郎の「治療塔」を読んで、不快な思いをしました。
![]() | 治療塔 (講談社文庫) |
大江 健三郎 | |
講談社 |
なぜなら、この痛ましい事故を、宇宙意志からの警告と表現していたからです。
いくら嘘八百の小説とは言え、それはないでしょう。
いやむしろ、嘘八百だからこそ、真実があぶり出されるはずです。
真実は物語の中にしか存在しないというのが私の持論であることは、このブログで何度も述べてきたところです。
だからこそ、あってもなくてもいいような、嘘八百でしかない文学に、人は過剰なまでの高い価値を見出すのだと思います。
大江健三郎というのは奇妙な人で、国家から与えられるものは拒否するとか言って文化勲章を辞退したかと思ったら、スウェーデン国王が設立したノーベル財団からのノーベル文学賞は嬉々として貰っていましたね。
要するに外国なら良くて日本国だと駄目なんでしょうね。
天下の悪文家としても知られ、嘘か真か、英語で書いて日本語に訳してるんじゃないかと噂されるほど、日本語としては醜い文章です。
その奇妙さが如実に表れたのが、宇宙意志からの警告という、宇宙飛行士や宇宙開発に夢を持つ人々への侮辱とも言うべき醜い言葉だと言えるでしょう。
人の悪口は下品ですが、その文学も含めて、私はこの人が苦手です。