守秘義務

社会・政治

 テレビをつけると、神戸の海上保安庁職員が尖閣諸島での中国漁船衝突事件の映像を流した事件の報道でもちきりです。

 しかし、私は疑問を持ちます。

 あの映像は守るべき秘密なんでしょうか。

 あれは中国漁船が日本の海上保安庁の船に故意にぶつかってきた事実であり、公開によって日本の国益を損なうとは思えません。
 例えば守るべき秘密とは、日本政府が秘かに核兵器や生物化学兵器を開発していたとか、国民の個人情報とかがそれにあたり、現実に起きた事件を隠すことは、そもそも不可能だし、むしろそれを公開することが日本の国益にかなうように思います。

 9.11テロの映像はあっという間に世界をかけめぐりました。
 今回の事案が秘密なら、9.11テロの映像も秘密なのではないでしょうか。

 もし今回の映像を秘密とするなら、映像を公開するぞと中国を脅したかったか、中国が怒ると困るから秘しておきたかったか、どっちかだと思います。
 しかし民主党政府の動きを見ていると、そのような高度な政治判断は無く、なんとなく隠したかったのに、流出されちゃって腹が立つから犯人を罰しようとしているようにしか見えません。

 情報公開ということに関しては、近年非常に厳しく政府や自治体に求められています。
 秘密とすべき事柄かどうか議論が分かれる場合には、公開を基本とすべきであろうと思います。
 それは長い人間の歴史のなかで、情報を統制することが権力者の恣意的な政治運営に寄与してきたことに対する反省から生まれたもので、人類の叡智とも言うべきことだと考えます。

 今回の民主党政権の動きを見ていると、表現の自由や国民の知る権利よりも、権力者の都合を重視する態度であり、これは現代の自由民主主義国家がとるべき態度ではありません。

 民主党政権は、苦虫を噛み潰しながら、犯罪要件を満たさないとして、不起訴にすべきでしょう。

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