今日、午後、父の日ギフトを届けに実家に行きました。
東京の東端、江戸川区です。
父は、想像したほど衰えてはいませんでした。
相も変わらず、その口からは、優れた教養がにじみ出るのでした。
今日は、雑誌「思想」の話をしました。
父はこの雑誌を、30年に渡って読み続けた、とのことです。
私は昼休みなどに、全バックナンバーが揃っている、図書館の雑誌をめくっています。
父が若い頃、「思想」は共産主義をめぐって、はげしい論争がくりひろげられていました。しかし今、この雑誌を飾るのは、蛸壺学者による、オナニスト的論文ばかりです。
今になってみれば、理論はともかく、現実社会で共産主義というものを夢想することは空しいばかりです。ただ、ある一時期、日本のみならず世界の若者たちがこの理想を求めて邁進したことは確かです。
今となっては昔のこと。その熱い運動が空しくなってしまったとて、人は日々を生きていかなければいけません。
そして、おのれ一人が熱くなれる運動を求めるほかありますまい。