昨夜は奥田英朗のユーモア小説集を読みました。
「家日和」です。
![]() | 家日和 (集英社文庫) |
奥田 英朗 | |
集英社 |
まったくこの作家のユーモアのセンスには笑わされ、感心させられます。
喜劇を生み出すというのは極めて知的な作業で、冷静さを必要としますね。
それでいて、ミステリや悲劇ほど売れないし評価されないというのは悲しいことですね。
この短編集は、ネット・オークションにはまる主婦や、妻と別居中に自宅マンションを自分好みの男の城に変身させてしまう中年サラリーマンなどなど、様々な滑稽な家族が提示され、面白くもあり、身につまされもしといった、読み応えのあるものに仕上がっています。
文学の世界において、シリアスなものがもてはやされがちですが、これからは喜劇をこそ、称揚せしめねばなりません。