私の友人女性が、先日離婚しました。
年齢は39歳です。
30歳で結婚、結婚生活は幸せそうでした。
子どもも二人授かり、すべてが順風満帆のように見えました。
しかし、彼女には、ある習癖がありました。
恋愛依存というか、男とときめきを感じながら付き合っていないと心が折れてしまうのです。
そしていつも、恋は長続きしません。
惚れっぽいというか、すぐ目移りしちゃうようです。
私たちが友人になったというのは、彼女がふられるたびに私が慰めていたからです。
彼女が酔い潰れるまで付き合ったこともあります。
そして彼女は、決して、別れた男の悪口を言いません。
二人の楽しかった思い出だけを、うっとりと、しかも涙を流しながら語るのです。
で、めでたく結婚して9年。
この間彼女のふられた話に付き合うことはなく、友人関係は年に一度の年賀状だけとなりました。
それが突如、昨日電話がかかってきて、これから会いたい、というのです。
いやな予感は的中。
旦那と暮らしていてもときめかなくなった、と言うのです。
それで、不倫。
そして離婚。
ついには不倫相手とも破局。
子どもは旦那に取られたと言っていました。
私はただ黙って聞いていました。
相槌を打つだけで、説教じみたことは口にしませんでした。
何を言っても嘘くさくなると感じたのです。
パート主婦だったので、経済的に困窮することは明らかですから、実家に戻ることだけは勧めました。
いつまでもときめいていたい、という気持ちは分かりますが、妻であり母であるということは、夫と子どもとの穏やかな暮らしを優先させなければ簡単にその幸せは崩れることを意味します。
以前、だめんず・うぉーかーという漫画が流行りましたが、世の中には恋愛沙汰で苦労する人が一定の割合で存在するようです。
江戸時代は不義密通は重い罪でしたが、その種の事件は後を絶ちませんでした。
大奥の御年寄・絵島は役者の生島と密通の疑いをかけられ、絵島も生島も流罪。
絵島の兄は武士であったがために、斬首となりました。名誉の死である切腹も許されませんでした。
生島が所属する山村座は廃止、座主は遠島となりました。
逆に言えば、それほど魅力的な不義密通。
密かな不義の交わりは、強烈な毒で、全身をしびれさせるような快楽を与えてくれるのでしょう。
その味を知ってしまった友人は、かけがえのないものを失いました。
いっそ生涯、恋愛沙汰を渡り歩くのが彼女の幸せなのかもしれませんねぇ。
そして私はいつまでも彼女の失恋話に付き合いましょう。
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