寒い

文学

 今朝は特別仕立てに寒かったですね。
 それでもほとんど毎日晴れている関東の冬は、雪に悩まされることがなくて楽です。
 こちらでは雪かきは年に一二度の珍しい行事。
 電車はとまり、ノーマルタイヤの車はスリップ、交通は大混乱。
 要領を得ずに腰を痛めるやつやら、根をつめて体調をくずすやつやら。
 雪国の人から見たらさぞ滑稽でしょう。

 北風は冷たいですが、関東の冬の穏やかさはありがたいものです。

 そこで、松本たかしの句。

 
玉の如き 小春日和を 授かりし

 寒さが続いて、ある日、春のような暖かい日があった、その喜びを素直に表現しています。

 
門前の 小さき枯野の よき日和

 小さき枯野に差す穏やかなお日様が目に浮かびます。
 
 関東は関東でも北関東の雪の夜を思って、次のような句。

 
雪だるま 星のおしゃべり ぺちゃくちゃと

 深夜、凍りついた小さな雪だるまが退屈しのぎにお星様とおしゃべりしてるんですねぇ。
 どんな内容なんでしょう。
 いずれにしろ、艶っぽい話や武張った話ではないでしょうねぇ。

 与謝蕪村の京都の自宅への籠り居の句もよいですが、関東の冬もなかなかよいですねぇ。
 松本たかしはもともと宝生流の能楽師の家に生まれたそうで、神田生まれの江戸っ子でもあります。
 能楽師の父親から、色々おしえてもらったんでしょうねぇ。 

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