寒の入り

文学

 今日は寒の入りですね。
 小寒とも言います。
 大寒は1月下旬で、2月上旬の節分までが、もっとも寒い時期とされます。

 小寒の氷大寒に解く、とも言い、年によっては小寒のほうが大寒よりも寒いこともあるようです。

 一年で一番寒いこの時季に、寒々しい和歌を。

 
山ざとは 冬ぞさびしさ まさりける 人目も草も かれぬと思へば
                           『古今和歌集』  源 宗于

 有名な百人一首の歌ですね。

 十分冷えたところで、今度は冬の暖かい我が家を詠んだ句を。

  埋火や 終(つい)には煮ゆる 鍋のもの 与謝蕪村
 
  うづみ火や 我かくれ家も 雪の中           与謝蕪村

  
これ出しちゃったら他のものは出てきません。
  それほど私は与謝蕪村の冬の句を好んでいます。
  特に上の2句は抜群に出来が良いように思います。

  なんだか雪が舞う凍てついた冬が、暖かい我が家を引き立たせ、真冬の籠り居を桃源郷のような愛しさで包んでくれるような気がします。

 私は仕事帰り、寒風吹きすさぶ道中、上の2句を呪文のように唱えながら暖かい我が家を想像して、帰路を急ぐのです。

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