東京都が購入する予定だった尖閣諸島、突如として政府が購入を表明し、このたび地権者は国に売却することを決めたそうです。
東京都としては面白くないでしょうねぇ。
割り込みみたいなものですから。
でも石原都知事、東京都に寄せられた14億円もの寄附金を国に渡すと、太っ腹なところを見せています。
地権者の心を動かしたのは、20億2千万円で合意しかけていた東京都に対し、国は20億5千万円を提示、3千万円の上乗せが決め手になったようです。
まぁ、誰でも金は欲しいし、3千万円といったら大金ですから、当たり前と言えば当たり前でしょうねぇ。
石原都知事が進めようとしていた避難港の建設など、支配を強化する策を、国はことごとく白紙に戻し、今までどおり誰にも上陸を認めず、建築物も作らない方針のようです。
中国を刺激したくないんでしょうねぇ。
でも国際社会は厳しいパワー・ゲームを繰り広げており、甘い措置ではなめられるだけのような気がします。
まして中国の船がたびたび尖閣周辺を侵犯している現状では。
ただ、幸いなことに、近いうちに解散総選挙を行うと野田総理は言っています。
次の選挙で民主党が政権を失うことは間違いないでしょう。
そうすると自公を中心とする連立内閣ができるのでしょうから、政府の政策は変化するでしょう。
まして安倍元総理の再登板という事態にでもなれば、強硬な政策を打つ可能性も否定できません。
なるべく穏便に、という気持ちは分かりますが、日本人同士ならあうんの呼吸とか以心伝心とかいう奇妙な方法で合意が可能でも、外国相手にそれは通用しません。
はっきりと、強く自己主張しないと、誤ったメッセージを送ることになりかねません。
かつてルーズベルトでしたか、大きな棍棒を持って紳士的に話し合うのが外交だと言っていました。
今のわが国は、ごく小さな棍棒を持って、ぼそぼそ言っているような状態です。
それでは国民の一人として頼りないことこの上ありません。
尖閣の問題は今後何十年も、あるいは何百年も続くでしょう。
島を奪われてあの時こうしていれば良かった、なんて言わないようにしてほしいものです。