平成24年

文学

 いよいよ平成24年も大晦日を迎えました。
 今年もとてつもなく長い日々でした。

 世に10大ニュースなるものがもてはやされる日でもあります。
 政権交代とか山中教授のノーベル賞受賞とか中国との尖閣問題とかが取り沙汰されていますが、私はおのれ一人の心中を安らかならしめる力さえ持たない愚か者ゆえ、世の中の出来事に対し、あえて大晦日にコメントする資格を持たないのです。

 せめては個人的な出来事を少しばかり振り返ってみるとしますか。

 今年、私にとって最も大きな出来事は、それはあまりに大きすぎて今も冷静に語ることが不可能なのですが、3月5日の父の死でしょうね。
 一年前、73キロあった体重は、今朝量ったら51.4キロにまで落ちてしまいました。
 風呂あがりなど、裸でビールをごくごく飲んでいると、同居人は私の裸体を見つめ、「ガンの人みたい」と嘆くのです。
 やたらと寒がりになり、硬いベンチなどに座ると尾骶骨が直接あたる感じで痛みを覚えます。
 このようなことが起ころうとは、父が亡くなった日には全く予想していませんでした。
 しかし人間はどんな出来事でも忘れるようにできているはず。
 父の存在やその死を完全に忘れる日が来るはずはありませんが、少なくとも悲しみは少しずつ小さくなっていくでしょう。

 次は10月の担当替えでしょうか。
 あり得ない失敗を繰り返し、部下の非正規雇用の女性職員と修復不可能なまでに関係性が悪化した前任者が担当していた仕事に深く関わる複数の教育研究職員からの強い要望で、私が引っ張り出されました。
 逆に私が担当していた仕事に深く関わっていた研究教育職員はこれに抵抗し、綱引きのような状態になりましたが、ことここにいたってはやむを得ない、ということで、私は自ら担当替えを志願しました。
 予想はしていましたが、スケジュールはタイトだは、イベントは多いは、規則は複雑だは、で、気楽だった仕事が一挙にしんどくなってしまいました。
 しかしそれでも精神をやられることなく3ヶ月間を過ごすことができました。
 来年のことは考えたくありませんが、まぁ、仕方ありません。

 それと、NHKの番組に出たことですかねぇ。
 かかりつけの処方箋薬局の薬剤師に「見ましたよ」と言われて穴があったら入りたいと思ったり、職場の人たちにも事前には知らせていなかったので、ずいぶん驚かれました。
 長いこと音信普通だった友人から電話がかかってきたり、テレビというメディアはすざまじい威力を持っているのですね。
 しかし別段不利益をこうむるようなことは無いので、まぁ、良かったかなと思っています。

 思いつくのは以上の三つですかねぇ。

 平凡に思える毎日であっても、子細に眺めれば様ざまな出来事が起こり、日々、それに対処しなければならないのが生活だということを実感します。


 安心して暮らせる社会を実現しよう、なんて言う政治家がいますが、人類史上安心して暮らせる社会などいう絵に描いた餅のようなものが現出したことがあるんでしょうか。

 それはユートピアとも言うべきもので、この世に現出することは、人間が人間である限りあり得ないでしょう。

 人間に限らず、生物というものは根源的に不安を抱えているものです。
 むしろ生きるとは不安なものだと肝に銘じ、綱渡りのようなその日その日を、誤魔化しながら生きていくより他、生きる術はありますまい。

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