平成25年

社会・政治

 明けましておめでとうございます。
 本年もよろしくお願い申し上げます。

 平成の御世も25年目に突入しましたね。
 初めてへいせいという音を当時の故小渕恵三官房長官の口から耳にしたとき、非常な違和感を覚えました。
 平成という文字を先に目にし、おそらくへいじょうひょうじょうだろうと思い込んだためです。

 へいせいという音がひどく軽薄な感じがしました。
 それはわが国がバブルの絶頂に向かって突き進んでいた時代の空気のせいかもしれません。

 あれから四半世紀。
 時代は大きく変わりました。

 わが国はバブル崩壊後、約20年もの長い不況に苦しみ、今もそれは続いています。

 自社対立の55年体制は崩壊し、新生党だの新進党だの日本新党だの新党さきがけだのと次から次へと新党が生まれては消えていきました。
 今も日本維新の会だのみんなの党だの、新しい党が議席を獲得しています。
 今や民主党の命運も風前の灯です。

 諸行無常、盛者必衰といった「平家物語」で語られる仏教的無常観を実感させられます。

 しかしそれでも、私たちはただ今現在の問題を片付けざるを得ず、仏教的無常観の世界に逃避するわけにはいきません。
 
 鴨長明「発心集」などの仏教説話では、さかんに出家を勧めますが、第一次産業に携わる人がみな出家してしまっては、人は食っていけなくなります。
 第二次産業や第三次産業も同じこと。
 誰もが出家してしまっては、人間の社会は回らなくなってしまいます。

 出家は形而上学的世界に逃避することを許された特権的な行いで、通常、人はおのれの精神上の問題を第一義に考えるのではなく、食うための生業を第一に考えなければなりません。

 切ないことですが。

 年が改まったからと言って何かが劇的に変化することはありません。
 去年の問題をひきずってどうにかこうにかやりくりしていく他はないでしょう。

 それでも、昨年の正月よりは、少しですが、日本社会が明るい方向に向き始めたような気がします。
 3年3ヶ月、なにがやりたいんだかさっぱり分からない烏合の衆が政権を握っていたせいで、全てが悪いほうへ向いているような気分でした。

 昨年、政権交代が実現し、早々に市場は反応して株が上がったり円が安くなったりしました。
 崩壊した外交を素早く立て直すべく、安倍総理は次から次へと各国首脳と電話会談し、自ら米国を訪問することを決め、中国やロシアには特使を送る予定だと聞いています。

 わが国が抱えている少子高齢化とそれに伴う労働人口の縮小と社会保障費の増大という根本的な問題が解決するはずはありませんが、とりあえず、今日より明日のほうが良いのではないかと期待せずにはいられません。

 今年がわが国にとって実り多い年となることを祈ります。

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三木 紀人
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