年々歳々

文学

   今日は晴れて気温が上がり、20度に届こうかという勢いです。

 今日も私は勤労意欲がわかず、無為に時を過ごしてしまいました。
 勤労意欲がわくかどうかは、急ぎの仕事があるかどうか、あるいは懸案事項を抱えているかどうかにかかっています。
 最近の私にはその両方が無いため、だらだらとしてしまいます。

 そして窓の外の強い日差しを見ては、春の訪れを実感してため息をついています。

 春宵や 屋根から上の 花の闇

 久保田万太郎の句です。
 花の闇という句が、なんとも春らしい感じを醸し出しています。

こでまり抄―久保田万太郎句集 (ふらんす堂文庫)
成瀬 桜桃子
ふらんす堂

 来週には桜が開花し、月末には満開を迎えるとか。
 そして新年度を迎えるのですねぇ。

 毎年4月は人の入れ替わりがあるため、混乱は避けられません。
 年々歳々花相似たり、年々歳々人同じからず、と詠んだのは唐代の詩人、劉希夷でしたか。
 まこと、花は毎年似通っているし、毎年同じように人々がいるようでいて、じつは年々入れ替わっていくものです。

 そんなことを考えると、なんとも言えない憂鬱に囚われます。

 私にとって不安や憂鬱は、もっとも親しい感情であり続けています。
 子供の頃から。

 最近は図々しくなって、大分緩和されてきてはいますが、やっぱり春の盛りはダメなようです。