年寄り笑うな

文学

 連休明け、2日間の勤務が終わりました。

 落ち込み感はそれほどでもなかったですが、勤労意欲の低下は想像以上でした。
 わずか5日の休みでも、確実に衰えていく感じがします。
 がっつり残業をしても疲れなかったのは、遠い昔。
 今では1時間程度の残業でも疲れ果ててしまいます。

 若いころ小馬鹿にしてきた、新しいことを覚えられず、何事も仕事は部下に振って、自分は何もしない、そんなおじさんに、私がなりつつあります。

 人に起こるようなことは大抵自分にも起こるのですね。

子ども叱るな来た道じゃ。
年寄り笑うな行く道じゃ。

 というのは作者不詳の詩。

 一説に、妙好人(厚い信仰をもち、念仏に生きる人)によるものとも言います。

 私は子供を叱ることはありませんでした。
 そもそも子供が出来なかったので。

 しかし、年寄り笑うなは、つい最近まで守れずにいたのですが、今度は笑われるほうになってしまうとは。

 一念発起して、何事も部下任せにせず、ある程度は自分でやるようにしないと、ますます勤労意欲は失せて、使い物にならなくなってしまうでしょうねぇ。

 一昔前と違って、60歳で定年は迎えるものの、希望すれば65歳まで雇わなければならないことになっています。

 で、還暦過ぎて急に肩書を失ったかつての偉い人が、新聞の切り抜きをやったり、ひたすら頼まれたコピーをやったり、なかなかにハードなことになっています。
 ちょっと降格になっただけで、まだまだ元気な人もいますが。

 私はこれらの人々を笑うことなく尊重し、自身は年をとってもある程度使える忍耐力を涵養せしめなければならないと、つくづく思います。