新聞を読んでいたら、超高齢化社会を迎える近未来の労働に対する提言を、ある人が述べていました。
65歳以上の人口が20年後には三分の一に達する現実を考えると、70歳定年、年金支給開始75歳にせよ、ということでした。
わが国が構造的に抱える人口問題ですから、ある程度は納得できます。
しかし、年金支給開始年齢が75歳となると、ほとんど取るだけ取られてもらえない、ということになりましょう。
ごく一部のご長寿の人を助けるために、圧倒的多数の人々は掛け金を払うだけで、その代償を得ることなく、死ね、ということになります。
サリーマンは天引きされますから仕方なく掛け金を払い続けますが、自営業など国民年金の場合、この制度では掛け金を払うより貯金したほうがマシだと考えるのは人情です。
日本人の寿命が近年飛躍的に伸びていることは事実です。
しかし、元気なお年寄りというのは、じつはそう多くないように思います。
単に寿命が延びたからと言って、年金支給開始年齢を引き上げるのは、多くの体に不安を抱えるお年寄りの生活設計を破壊し、ひいては老人のモラルを低下せしめるものと考えます。
年長者を敬う文化を持つわが国において、お年寄りのモラルが崩壊すれば、中年、青年、さらには少年のモラルをも崩壊せしめるでしょう。
そして現役世代も、常に老後の生活を心配しながら生きなければならなくなり、ついにはわが国社会は荒廃するに違いありません。
国民皆年金制度を導入した昭和30年代、引退した老人1人に対し、30名近い現役世代がそれを支える年齢構成だったと言います。
それが近頃では3人で1人を支えるような状況になり、早晩、1人が1人を支えるような状況になろうという勢いです。
私は、定年も国民皆年金も撤廃するしか無いのではないかと思っています。
働ける人は100歳を超えても働けばよろしいでしょうし、もうダメだと思ったら50歳でも引退すれ良いと思います。
年金の掛け金はそれぞれが貯金するなり資産運用するなりして、老後に備えればよろしいでしょう。
もはや国家が、人間の生き方を年齢で縛るようなことは止めてほしいものです。
人間は多様なものであり、今は60歳定年が主流ですが、元気な60歳もいればヨレヨレの60歳もおり、さらには60歳を迎える前に寿命が尽きてしまう人もいます。
ただし、その場合、今まで払った掛け金は全額耳をそろえて返してもらわなければなりません。
そうでなければ、払った者損になってしまいますから。
私はできれば、50歳には引退したいですねぇ。
50歳で引退すれば、余生を楽しむ体力が残っているんじゃないかと思います。
そのためにも、今まで23年間払い続けた掛け金を返してください。