建国記念日の朝、またもや雪がちらついています。
昨日は雪で通勤に難儀したので、晴れるか大雨か、どっちでもいいから溶けて欲しいと思っていたのですが、なんだか振り出しに戻ってしまった感じです。
建国を祝う気もしぼみます。
明治初期に定められた紀元節が始まりの建国記念日。
皇紀元年の一月一日を太陽暦に換算した日なんだそうですね。
この日、初代の神武天皇が即位あそばし、万世一系の皇統が始まったというわけです。
神武天皇はそのまま天照大神の子孫ですから、誠におめでたい日と言うべきで、国民こぞってこの日を寿ぐのが当然ですが、たかだか天候不順のせいでそんな気が失せるとは、私には愛国心というものが欠けているようです。
恥ずかしながら。
本当のところ、今日が神武天皇の即位の日にあたるのか、そもそも神武天皇とは実在したのか、古代史家の間では疑問視されていることは知っています。
しかし私は、それが本当なのかどうかについて、さしたる興味を持っていません。
それを仮にでも本当だと信じ、わが国の来し方を愛でるための物語としての機能は、今も健在だからです。
「古事記」や「日本書紀」に綴られた神話から古代史にいたるわが国草創期の物語、よくできていると思います。
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少なくともこのような物語を持つ国に生まれたことは、奇跡とも言うべき幸運であるに違いありません。
わが国の人々には、今日くらい、自分たちがいかに幸運か、思いを致していただきたいものです。