建国記念

思想・学問

 今日は建国記念の日。

 戦前は紀元節と称され、初代である神武天皇が即位した日とされています。
 なんでも紀元前の何年かは忘れましたが、その何年だかの1月1日に即位されたと古事記や日本書紀などに記されており、それを西暦に直した日が今日なのだとか。 

 なんとも嘘くさい日ではありますが、国家や民族には物語が必要です。

 革命で国家が成立したとか、独立戦争で勝利したとかいうのは、概ね近い過去の出来事であり、日付ははっきりしています。
 革命前も独立前も、国家や民族というのはあったはずですが、現代の国家という意味では分かりやすいでしょう。
 そういう意味では、わが国の場合、連合国と講和を結んだサンフランシスコ平和条約締結の日が新生日本の建国の日にあたるのかもしれません。

 しかしそれでは、戦前の日本を否定することにもつながり、わが国の伝統文化であり、物語であるところの、民族の中核とでもいうべきものが、忘れられてしまうかもしれません。
 そういう意味で、神武天皇の即位の日という、信じがたい、いわば嗤うべき日に建国の日を定めたことは、明治政府の、欧米列強に対する矜持だったのかもしれません。

 おかげ様をもちまして、嗤うべき日は尊ぶべき日となりました。

 わが国の人々にとって、大切な日です。
 普段はその意味など考えず、ただお休みできる日としか思わなくなっているとしても。