引き

仕事

 わが国の行政組織は、一般にボトム・アップによって意思決定をおこなっていることが多いようです。

 つまり、下っ端がふうふう言いながら原案を作成し、それを順次、主任、係長、課長補佐、課長、部長、局長と上げていくやり方ですね。

 軽微な案件であれば、いきなり起案し、決裁をとりますし、重要な案件であれば起案する前に事前に根回しし、それぞれの職階の人の意見を取り入れながら修正をくわえ、最後に意思決定を行う会議に諮り、認められれば起案して決裁を取り、決定となります。

 良く言われることですが、このやり方の長所は、下の者も意思決定に参画することにより、意欲がわくとか、みなが情報共有出来るとかいうことですが、短所としては、責任の所在が不明確になること、上の者がリーダー・シップを発揮しずらいこと、職階が下の者の負担が重いこと、意思決定に時間がかかることなどが上げられます。

 私は微妙な立場におり、起案することもあれば、起案した者に意見を言うこともあります。

 で、この下っ端と、微妙な立場にある者の精神障害発生率や自殺率が際立って高いことを思うと、わが国も給料の高い人々がイチャモンつけるばかりでなく、責任をもって原案作成に携わり、それを下の者に命じると言う、トップ・ダウンのやり方を取り入れたほうが良いように思います。

 ただし、その大前提として、上の者がまともな判断能力を持っていることが必要です。

 一方、軍隊だけは、上意下達で仕事を進めますね。
 しかしそれは戦闘行為に入った場合であって、作戦を練る際はボトム・アップを取り入れることもあると聞き及びます。

 わが国は、高級将校の質が低く、下級将校はまあまあで、下士官兵の能力が高いと言われます。
 それはボトム・アップを重んじるわが国の制度と無関係ではないように思います。

 4月から着任した上司が、絵にかいたようなおバカさんで、意味不明のイチャモンをつけては仕事を停滞させています。

 正直、顔を見るだけで虫唾が走ります。

 そのせいで、わが国の行政組織の有り様を考えざるを得ない日が続いています。

 細川元総理が在任中、役人に「私は何をすれば良いですか?」と聞いたとか。

 あんたが役人に何々をしろと命じる立場でしょうに。

 これなど、ボトム・アップの弊害を象徴的に表していると思われます。

 無能なのに出世したのは、おそらく引きがあったからでしょう。
 この世界、引きが最も重要です。

 しかしそれなら、無能を自覚して、黙って座って、意見というかイチャモンなどつけず、黙ってハンコを押していなさい。

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