強姦致傷事件 懲役27年

社会・政治

  2007年から2009年にかけて兵庫県で起きた10代の少女ばかりを狙った強姦致傷事件で、32歳の男に懲役27年という厳罰が下されました。
 被害にあった少女は6人にも及ぶとか。
 少女たちの精神的なショックはいかばかりでしょう。
 一生涯、男性を恐怖し続けるかもしれません。

 日本での性犯罪は痴漢や下着泥棒などが7割をしめ、強姦は3割程度と聞きます。
 一方お隣韓国では事情が逆転し、7割が強姦だとか。
 抵抗する女性を無理矢理犯すというのはかなり難しいと思います。
 公園などでは人目があるし、ホテルなどに連れ込むのも困難でしょう。
 しかし、私が想像するに、被害にあった少女たちは、ほとんど抵抗できなかったのではないでしょうか。
 まずは恐怖で身がすくむでしょうし、刃物で脅されたということですから、命の危険も感じたでしょう。

 そして犯人逮捕後、法廷で事件を再現しなければならない苦痛というのは、思春期の少女にとっては耐えがたい苦痛であったことでしょう。

 私は高校生の頃、満員電車で二回、映画館で一回、痴漢にあったことがあります。
 多分少年好きの同性愛者と思われます。
 しかしその時、私は何が起きているのか分からず、ほとんどパニック状態になって、完全に体が凍りついて動かなくなってしまいました。
 「やめろ」とも、「痴漢だ」とも言えなかったのは、私が男子高校生だったため、男のくせに痴漢にあうなんて気持ち悪いやつだ、と思われはしないか、という危惧と、圧倒的な恐怖心でした。
 痴漢は私よりずっと大きく、がっちりした中年でした。
 今でこそ私はでぶの中年ですが、当時は紅顔の美少年だったのです。

 そのことがあってから、私はそれまで以上に性犯罪の被害者に同情的になりました。
 男の私ですら、また、痴漢ですら、恐怖に固まってしまうのですから、強姦致傷となると心の傷は時間とともに軽くなることはあっても、完治することはないんじゃないでしょうか。

 性犯罪は累犯率が極めて高いと聞きます。
 性欲が犯罪行為を嗜好する場合、矯正は極めて困難でしょう。
 その場合、厳罰に処し、出所後は生涯監視の目を光らせなければなりません。
 悲しいことではありますが、元受刑者の人権を制限してでも、被害者予備軍の少女たちを守らなければならないでしょう。

強姦の歴史
Georges Vigarello,藤田 真利子
作品社

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