震災後、多くの人々がボランティアとして現地入りし、様々な活動をしています。
また、ほとんど報道されませんが、国立病院や国立大学附属病院などでは業務命令として医師や看護師を交代で派遣し、多いに活躍しています。
がれきの除去一つをとっても、巨大なマン・パワーが求められている中で、自衛隊や消防、警察などとともに、その他の公務員やボランティアの活動が重要であることは論を待ちません。
某新聞で紹介されていましたが、もう十年以上前になりますか、義務教育の在り方を検討する政府の諮問会議で、曽野綾子委員が奉仕活動の義務化を提言していたそうです。
結局それはどういう理由でか、実現には至りませんでした。
曽野委員は専ら教育的見地からの奉仕活動を考え、それは女史のキリスト教徒としての信仰心から出たものと思われます。
しかし巨大な震災を前にして、奉仕活動の義務化というのは、なかなか妙案であるように思います。
小中学生だけでなく、言わば兵役に代わる国民の義務として、成人したなら二年か三年、役務の提供及び肉体の鍛錬を行うようにするというのは、時代の要請に適うように考えます。
かつて近代国家では兵役は国民の義務で、これを拒否すれば監獄おくりでした。
現在でもお隣、韓国やイスラエル、スイス、ロシアなどで徴兵制が行われています。
現在の戦争は、小火器や剣付き鉄砲で行われるのではなく、高度なハイテク兵器を駆使するもので、戦闘のプロ集団でなければなかなかできるものではありません。
わが国の戦闘集団である自衛隊は、殺人や破壊活動の高度な専門家集団であり、ここに素人を徴兵で加えても足手まといになるだけでしょう。
ならば奉仕活動のような役務の提供を求めるほうが役に立つし、徴兵のように国民から忌避されることもないでしょう。
ボランティアと違って計画的かつ長期に活動を行うことができ、被災者とボランティアのミス・マッチのような不幸な事態も起こりません。
菅総理は奇兵隊内閣を名乗っていますね。
奇兵隊は農民を兵士に仕立てた最初の近代的戦闘集団。
その後奇兵隊出身の山形有朋によって徴兵制度が整備されました。
それは農民を兵士にした奇兵隊での活動が契機の一つになっていたであろうことは想像に難くありません。
奇兵隊に心酔する菅総理、故事に倣って現代の奇兵隊を組織しては如何でしょう?