御大のライトノベル

文学

 午後は御大、筒井康隆翁が執筆した初めてのライトノベル、「ビアンカ・オーバースタディ」を楽しみました。

 もっとも、はライトノベルという概念が生まれるはるか以前から、「時をかける少女」などの名作を物しています。

時をかける少女 〈新装版〉 (角川文庫)
貞本 義行
角川書店

 

アニメ版 時をかける少女
筒井 康隆,「時をかける少女」製作委員会
金の星社

 かつてはジュヴナイルなんて言われていた、中高生をターゲットにしたジャンルの小説ですね。

 もっとも近頃では、ライトノベルの読者層は中年男女にまで広がっているとか。
 ゲームやアニメのファンが50過ぎの方にまで伸びていることを思えば当然かもしれません。

ライトノベル完全読本 (日経BPムック)
日経キャラクターズ
日経BP社

 さらに遡れば、戦前には少年小説とか少女小説とか呼ばれるジャンルがありましたし、もっと昔はお伽話なんて言いました。

 いつの時代もそういうジャンルがあるものです。

 ライトノベルという言葉は20年ほど前に生まれたもので、今でも明確な定義はなく、中高生向けの新書や文庫本で、読みやすく、オタクっぽい挿絵が入っていて、恋愛物、SF、ホラー、推理物など、多岐にわたっているようです。

 ライトノベルと銘打たれた小説を読むのは初めてですが、10代の頃はジュヴナイルと呼ばれていた作品、それもSFをよく読みました。

 で、「ビアンカ・オーバースタディ」

ビアンカ・オーバースタディ (星海社FICTIONS)
いとう のいぢ
講談社

 ビアンカという名の混血の女子高生とその仲間たちが、人類滅亡の危機を迎えた未来から来た少年の要請に応じ、様々に活躍するというお話。

 しかしそこは御大の筆。

 ただのエンターテイメントとして読んでも楽しめるし、文学作品としても深い味わいのある作りになっています。

 その名のとおり軽くてすらすら読めるので、午後のひと時、楽しい読書をさせてもらいました。

 そしてこの手の作品に必須の、軽い感傷というか、切ない感じもしっかり漂っています。

 ただ時折挿入されるオタクっぽい挿絵には辟易しましたねぇ。

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