怖い

精神障害

 最近、色々なことが怖くなりました。

 最初に恐怖を感じたのは、車の運転。
 つい1年前までは平気だったのに。
 大きな事故を起こしたことはありませんが、いつか起きるのではないかと不安で、運転することを想像するだけで、体が小刻みに震えます。
 それでも、車通勤なので、抗不安薬を飲んで運転しています。

 仕事、それも実務が怖い。
 若いころに比べれば実務は大幅に減っています。
 部下に任せていますから。
 でも、時には自分でしかできないこともあります。
 そんな時、手を動かすのが億劫で、そのうえ怖い。

 上司と話すのも怖いですが、それよりも部下に指示を出すほうが怖い。
 明るく指示に従ってくれますが、心の底ではふがいない上司だと、馬鹿にしているのではないかと思うと、気持ちがひどく沈みます。

 グラスや湯呑で何かを飲むのが怖い。
 躁状態を押さえる、炭酸リチウムの副作用で、手が震えるというのは代表的なものです。
 会食の時など、人に指摘されるのが怖い。
 薬の副作用です、と言えるのは、自分が精神障害者だということを知っている、ごく親しい人。
 立食パーティーなどで、良く知らない人と飲むのが最も苦手です。

 同居人が休日出勤や出張などで、独りで過ごすのが怖い。
 よく妻が留守にすると旦那は喜ぶ、なんて言いますが、私には全くあてはまりません。
 精神障害の発症以来、同居人に対し、極端に依存するようになってしまいました。
  まるで親と子です。
 もちろん、私が子です。

 マスクを外すのが怖い。
 コロナの影響で、マスク着用は絶対に守らなければいけないドレス・コードのようになってしまいました。
 マスクを着用することに慣れきってしまい、顔を半分隠すことで、表情を読み取れないようになり、表情が見えてしまうマスクの無い顔をさらすのが怖い。

 もっと言うと、生きているのが怖い。

 精神障害発症時よりも、今のほうが怖いものが増えてしまいました。
 いずれも神経症的な悩みで、双極性障害とは関係ないように思います。
 しかし主治医は、神経症的な悩みは、双極性障害に比べれば小さなことで、抗不安薬を飲めば軽減するのであればべつだん問題ないでしょう、という態度です。

 うつ状態が激しい頃は自殺願望が強かったですが、今、自殺なんて怖ろしいことは出来ません。

 ただ、生きることは怖ろしいことだと感じるようになりました。

 年を取れば取るほど、些細なことは気にしなくなり、恐怖感など消え失せて、安定した状態になるのかと思っていました。

 50歳を超えて、この世には怖ろしいことがあふれていると感じるようになるなんて、想像もしていませんでした。

 精神科で服薬治療を受けていてこれですから、薬なしではとても仕事を続けられないでしょう。

 死ぬのは怖いし生きるのも怖い。
 どうしたらよいんでしょうねぇ。