文学

 世の中に、男と女がいればこそ、恋は人生の必定。誠にまれな例なれど、同姓同士の恋もまた必定。
 私は齢7つにして、初恋。唇も重ねた。
 幼い恋は美しく歌われ、それもまた必定。
 なれど幼い恋は幼いほど、好奇心と衝動が先走り、意外や、どろどろにのめり込む気味あり。

 オフコースに、「君のいない毎日は、自由な毎日。あれを愛というなら、もういらない」の歌あり。高橋幸弘に、「愛されすぎると、逃げたくて」の歌あり。誠に男というもの、追われることが嫌いらしい。

 而して若山牧水に、

 
逃れゆく 女を追へる大たはけ われぞと知りて 眼くらむごとし
 
 の歌あり。
  
 男が女を追う。これを恋と言う。
 ストーカーなど知らぬ、オスはメスを追うべし。草食系だのと、片腹痛し。
 婚活などと、馬鹿馬鹿しい。
 古式ゆかしい男女の習いを知れば、そんなことは自然に任せるべし。