悪の教典

映画

 今朝はなんということもなく、憂鬱でした。
 気候のせいでしょうか。
 それで休暇を取りました。

 止せばいいのに朝一番で史上最凶のエンターテイメントという触れ込みの「悪の教典」という映画を観に行きました。

 いわゆるサイコ・キラー物に分類されるのでしょうが、その狂気ぶりは他のこの種の映画の追随を許さない、あまりに強烈なものでした。
 一般的には、サイコ・キラー物というのは犯人がなかなか姿を見せず、警察との神経戦を繰り広げるというパターンが多いように思いますが、「悪の教典」は映画の冒頭からサイコ・キラーが堂々と登場します。
 そういう意味では、「ナチュラル・ボーン・キラーズ」との類似が見られますが、残虐さ、後味の悪さは「悪の教典」のほうがはるかに上です。

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 もしかしたらホラー映画史上に残る最も後味の悪い名作かもしれません。

 明るく元気で頭脳明晰、おまけにイケメンの高校の英語教師。
 同僚からも生徒からも信頼されるハスミンこと蓮見先生です。
 しかしこの男、うまれついてのサイコ・キラーなのです。
 この役を伊藤英明が演じてあまりにはまっています。  
 
 
 予告編をご覧ください。

 

 少しずつハスミンを怪しく思う同僚が出てきて、ハスミンは自殺に見せかけてその教師を殺害。
 生徒のなかにも彼に不信感を抱く者がでると、躊躇無く消していきます。
 しかも口笛を吹きながら、楽しげに。

 そしてついにはクラスの生徒全員の殺害を決意。
 文化祭の準備で遅くまで残っていた生徒たちを猟銃で次から次と射殺していきます。
 不謹慎かもしれませんが、一種の爽快感すら漂います。

 ハスミンは某男子生徒と深い仲になっていたゲイの美術教師の仕業に見せかけるため、様ざまに小細工をします。
 しかし、それは生徒全員の殺害が成ってこそできるストーリー。
 生徒二人が生き残っている段階で、大量の警官が学校に押し寄せます。
 手錠をかけられたハスミンは、「神の意思だ。クラスの生徒全員が悪魔に取付かれていたから生徒の魂を救うためにやったのだ」と絶叫します。
 生き残った生徒の一人は「完全に狂っている」と呆然としますが、もう一人は「もう次の殺人事件の準備を始めている」とつぶやきます。

 つまり、心神喪失による無罪を狙っているとみたわけです。

 しかも映画のラスト、衝撃の言葉がさりげなく流れます。

 To Be Continued.

 このお話には続きがあるというわけです。
 次回作でハスミンはどうやって娑婆に放たれ、どれだけの活躍をみせるか、今から楽しみです。

 最悪の後味で私に強烈な印象を残した「悪の教典」
 久しぶりにホラーの名作に出会えました。

悪の教典 上 (文春文庫)
貴志 祐介
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悪の教典 下 (文春文庫)
貴志 祐介
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